商標登録にトライしてみました

仕事の話

早期退職したおじさんが起業して未経験で不動産の世界に飛び込みます。
そこで経験する悲喜こもごもとは。。。
ロゴマークの商標登録。一人でトライしてみることにしました。


世の中にあふれるロゴやマーク。
それらを商品やサービスと結び付けて登録するのが商標登録です。
登録すると自分(自社)だけが使うことを主張できます。

商標登録は早い者勝ち

とにかく早い者勝ちなので、
誰かに取られてしまう前に取るといいらしいです。

と、そのようなアドバイスを一人起業の先輩から受けました。
その時は正直、「そうなのかなあ」とあまりピンとこなかったのですが、
その後に受講したセミナーでも講師の方が同じことを熱く語っていました。
それを聞いて、なんだか不安になってきたのです。

そこで、ロゴマークを商標登録することにしました。
会社を設立してすぐに5万円かけてデザインしてもらったロゴです。
かなり気に入っていますし、
誰かに取られてしまったら、たしかに癪(しゃく)です。

まあ現実には誰かに取られるなんてことは、まずないと思うのですが、
それでも将来、会社が大きくなるかもしれませんし、
その時にロゴが使えないない!なんてことになったらかないませんし。

独力で出願できるのか

調べてみると、特許庁「商標登録願」という書類を提出するようです。
たいへんそうなイメージですが、独力でできるのでしょうか。

手続きを代行してくれる業者もネット検索でたくさんでてきます。
特許事務所や弁理士が主な引き受け先のようですが、15万円弱の費用がかかるようです。
オンラインで手続きを代行する業者もいて、こちらは6万円ほどのようです。
いずれにしてもけっこうかかりますよね。

ということで、なんとかひとりでトライしてみます。

特許庁のHPに手続きの方法が詳しく載っています。
まずすることは、誰かがすでに商標登録していないか調べることです。
業種やサービス、一応社名でも検索してみますが、
同じようなロゴはありません。大丈夫そうです。
検索は専用の検索サイトがあるので、それを使います。

「お手本」を活用する

次に申請書類のひな型をダウンロードして記入していきます。
記入の手引きに従います。それほど難しくはなさそうです。
すでに出願された他社の書類を見ることができるので、
それを参考にしながら記入していくことも可能です。

ロゴに結びつける商品やサービスが細かく区分されているのですが、
それを探すのがちょっとたいへんでした。

この区分を選んで出願します。
サービスの内容に合わせて複数の区分でも出願できるようです。
その区分の数によって料金が変わってきます。
区分が多いほど料金が高くなる仕組みになっています。

不動産業の区分は第36類でした。
すでに商標を取った方たちの書類をみると、
中には第35類の広告業などを合わせて出願しているケースもありました。
その場合は2区分になるので料金も高くなります。

ボクの場合は不動産業だけでよさそうなので、1区分で出願することにします。
かなりたいへんだったのはサービスの内容の書き方でした。
前の方たちの例をみると、不動産業の業務をかなり細かく記載しています。
おそらくこの辺で必要となる専門的なテクニックがあって、
それが出願専門業者の腕のみせどころになっているのではと思いました。

まあそれも前の方たちをお手本に、なんとか記入することができました。
と、ここでふと思ったのですが、この時代に書面申請でいいのでしょうか?
ロゴを書面にコピペしてプリントアウトして提出するわけですが、
色の指定やデザインの詳細などのデータの扱いはこれでいいのかということです。

ともかく申請用の「商標登録願」を書き上げました。
郵送でもOKらしいのですが、せっかくなので直接提出してみることにします。

いよいよ特許庁を訪ねます

11月中旬の大安の日を選んで、東京・霞が関の特許庁を訪ねました。
受付や手荷物検査を済ませてロビーに入ります。
ガランとしていて人もいません。ようやく小さな案内図を見つけました。
申請窓口は1階。エレベーターホールの奥にあるようです。

窓口の近くに印紙売り場がありました。特許印紙を購入します。
商標登録の出願時の費用は、3,400円+(8,600円✖️区分数)です。
ボクは1区分なので12,000円です。
初めて聞く特許印紙という印紙で納めることになっています。

商標登録願に印紙を貼って、いよいよ窓口に向かいます。
ボクの他には一人だけ。すぐに窓口から呼ばれました。

商標登録願を提出します。
ちなみにこの書類はA4で1枚です。
区分数が多かったりサービス内容を多く記載したりすると
枚数が増えるのだと思いますが、そうでもなければ1枚です。

「お作法」がありました

「出願は初めてですか?」と窓口の方に聞かれました。
両袖に事務用の腕カバーをした、いかにもといった男性でした。
そうなんですと答えると、
「不要な部分は削除してきてくださいね」と注意を受けました。

用紙をダウンロードするとデフォルトの記入項目がいろいろとあります。
今回は「識別番号」や「提出物件の目録」に
記載することがなかったので空欄にしていたのですが、
その部分の項目自体を削除するのがお作法のようでした。

HPの手引きにそこまで書いてあったかなあと思ったものの、
特に反論はしませんでしたけど。
すると窓口の方がご自分で訂正の横線を入れてくださいました。

あとは書類の内容に目を通していただき、受理してもらえました。
「ご自身の控え用のコピーを1通持ってきてもらえると、
 受付印を押せますので、次はそうしてください」と教えてもらいました。

これも手引きには書いてなかったと思うのですが、
たしかに税務署などに申請書を持っていった時にそうしていたなと
思い出しました。これも役所あるあるなのかもしれません。

電子化にさらに手数料が

続いて、これからの流れを説明してもらいました。
まず約1週間後に電子化手数料の請求通知が届くそうです。
この電子化というのは、提出した紙の書類を電子化することらしいです。
手数料は2,400円+(800円✖️枚数)
ボクは1枚でしたから3,200円ということになります。

特許法に基づく磁気ディスクへの記録とのことですけど、
おそらくですが、紙をPDFにするイメージですよね。
それにお金がかかるとは。
だったらなぜ、申請時からデータにしない?と疑問は次々と浮かびます。

一応、聞いてみました。
「ロゴのデータの添付とかはするんですか?」
窓口の方の答えは「いえ。この紙の書類だけで大丈夫です」
やはり紙をPDFにするイメージしかわいてきませんでした。

ちなみに、このご時世。商標登録のインターネット申請もあります。
ただ、法務省の電子証明書を取得したり、
専用のソフトが必要だったりと、かなりの労力が必要そうです。
オンライン代行業者はこの方法を使っているんでしょうけど。

ということで、ネット申請は早々にあきらめていました。
そして、この窓口のやりとりで受けた感じですと
ネット申請でもロゴのデータは必要ないのかもしれません。

なんと結果は半年後です

さて、その後です。約3週間後に出願番号通知のハガキが届くそうです。
これは出願ごとに割り振られる番号とのこと。

さらに同じ頃に識別番号通知のハガキが届くとのこと。
これは申請者ごとに割り振られる番号です。
これらの番号は、以後の特許庁とのやりとりで必要になってくるとのことでした。

そして審査となるわけですが、
内容について補正などがなければ、平均6.1ヵ月で審査の結果がでるそうです。
なんと半年先です。

そしてうまくいって商標登録ができることになると、
ここで登録料が必要となります。
これも区分数で変わってくるのですが、一番安い1区分だと、
10年分で32,900円、5年分で17,200円です。
この期限がきたら、更新するかどうかということになります。
またお金はかかりますけど。

この説明を受けて、窓口を後にしました。
所要時間は5分ほど。実にあっけないものでした。
窓口の方は「まあ補正とかはないと思いますよ」と言ってくださいましたが、
うまくいくでしょうか。半年後が楽しみです。

安いのか高いのか

というわけで、ロゴマークを10年間確保するために、合わせて48,100円
1年分で4,800円ほどと考えれば果たして、安いのか高いのか。
いずれにしても、ロゴマークを活かせるような
仕事をしていきたいと思います!



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